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代表弁護士のブログ

2020年1月 5日 日曜日

民法(債権関係)改正(1)消滅時効

明けましておめでとうございます。
民法改正がいよいよ施行間近となりましたので概要の解説をしたいと思います。なお、民法は離婚手続きにおいても適用が多い法律の一つです。

【民法(債権関係)の一部改正を行った「民法の一部を改正する法律」が、一部の規定を除き、2020年4月1日から施行】
①時効期間と起算点に関する見直し
②人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効の時効期間の特則の新設
 不法行為債権に関する長期20年の期間制限の解釈の見直し
③時効の中断・停止事由の見直し

①時効期間と起算点に関する見直し
【現行法上の問題点】
・職業別の短期消滅時効(現170条~174条)は、複雑でわかりにくい
・時効期間の大幅な長期化を避ける必要性があるが、単純な短期間化では、権利を行使できることを全く知らないまま時効期間が経過してしまうおそれ

【主な改正の内容】
・職業別の短期消滅時効はすべて廃止
・商事時効(商法522条)の廃止
・権利を行使することができる時から10年という時効期間は維持しつつ、権利を行使することができることを知った時から5年という時効期間を追加(新166条1項)

⇒改正により、従来の、権利を行使することができる時から10年と、権利を行使することができることを知った時から5年の、いずれか早い期間の経過によって消滅時効が完成することとなる。

②人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効の特則の新設
 不法行為債権に関する長期20年の期間制限の解釈の見直し
【現行法上の問題点】
・生命・身体は重要な法益であり、これに関する損害賠償請求権は保護の必要性が高い
・治療が長期間にわたるなどの事情により、被害者にとって迅速な権利行使が困難な場合がある
・不法行為による損害賠償請求権の長期20年の期間制限を除斥期間と解すると、被害者側に不都合となるおそれ
【主な改正の内容】
・人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権の時効期間について長期化する特則を新設(新167条、724条の2)
 具体的には...
・「知った時から5年」
 →不法行為につき原則である3年から5年に長期化
・「権利を行使することができる時から20年」
 →債務不履行につき原則である10年から20年に長期化
・不法行為債権全般について、長期20年の時効期間制限が時効期間であることを明示(新724条)

⇒改正により、生命又は身体の侵害による損害賠償請求権について、債務不履行による場合と不法行為による場合とで消滅時効期間に差異がなくなった。

③時効の中断・停止の見直し

【現行法上の問題点】
・中断の制度が複雑でわかりにくい
・裁判上の催告に関する判例法理(訴えが取り下げられた場合でも、それまでの間は催告が継続していたと認め、取下げから6か月の間は時効の完成が猶予されているものとする)を明文化すべき
・当事者が裁判所を介さずに紛争の解決に向けて協議をしている場合にも、時効完成の間際になれば、時効の完成を阻止するために訴訟を提起しなければならない
・天災等による時効停止の期間が2週間では短すぎる(現161条)

【主な改正の内容】
・中断事由については、完成猶予事由(時効の完成を猶予する)と、更新事由(新たな時効の進行)とに振り分ける
 具体的には...
 ・承認→更新事由(新152条)
 ・裁判上の請求など→完成猶予事由+更新事由(新147条等)
  ・催告など→完成猶予事由(新150条等)
・停止事由については、完成猶予事由とする(新158条~161条)
・当事者間で、権利についての協議を行う旨の合意が書面又は電磁的記録によってされた場合には、時効の完成が猶予されることとする(新151条)
・天災等による時効の完成猶予期間を3か月へ伸長する(新161条)



投稿者 竹村総合法律事務所