代表弁護士のブログ
2011年12月20日 火曜日
ダルビッシュの離婚問題と引き延ばし戦術
離婚弁護士として、やはり書かざるを得ないだろう。
めちゃくちゃな記事が出回っているから。
サエコが、引き延ばしている?!(かどうかは真意は知らないが、)
もし、
戦略的に引き延ばしているのだとすれば、
理由はただ一つ。
多額の慰謝料でも毎月1000万要求と言われている養育費でもない。
ずばり毎日の生活費だ。
そもそも、慰謝料は、ダルビッシュに不法行為がないと1円も取れない。
20億の年収があろうと、慰謝料は1円もとれない。引き延ばしても同じこと。
また、養育費は、年収によって変動しうる。いま20億でも、5年後には1億になっているかもしれない。
従って、養育費目的で引き延ばすのはかなりリスクが高く、今すぐに離婚したほうがむしろ得。
次に、財産分与。
財産分与の基準となるべき時期は、別居時。
従って、すでに別居しているサエコは、ダルビッシュがいかに稼いで財を築こうと、別居時以降の分はもらえない。
よって財産分与目的で引き延ばす意味はない。
となると、必然的に、引き延ばす意味は生活費=婚姻費用ということになる。
夫婦は、法律上、同等の生活を営む権利がある。
従って、ダルビッシュが20億の生活をするなら、サエコも20億の生活をする権利がある。
これはつまり、ダルビッシュと同等の生活をする生活費をもらう権利があると言うことだ。
法的には、
婚姻費用の分担調停を起こせば、巨額の生活費を手にすることができる。
ダルビッシュは、調停を避けたければ巨額の生活費をサエコに振り込まねばならないわけだ。
よって、サエコは、引き延ばせば引き延ばすほど、
ダルビッシュの年収に応じた巨額の生活費が毎月転がりこんでくるわけで、これは離婚をして慰謝料ももらえず、養育費もわずか、財産分与もわずかでダルビッシュを解放するより、はるかにメリットがあるというわけなのだ。
投稿者 竹村総合法律事務所